特別受益証明書の作成と配偶者の税額軽減

地方の知人からの質問です。

●相続の遺産分割協議書の作成をしないで「特別受益証明書を作成して手続きをする」んだって???。
配偶者の税額軽減とかは、遺産の分割が要件なんだよね? 大丈夫なの??・・と。

◎東京で経験したことがありませんが、「相続分不存在証明書」(又は「特別受益証明書」)が不動産登記実務では使われるようです。しかしながら、税務においては遺産の分割が要件になっているものも多くあります。
国税庁では下記のような質疑応答事例を紹介していますが、法定相続分を超える特別受益を受けているという事実に基づいて作成されているかどうかの確認書類等も必要になるため、できれば、遺産分割協議書の作成がお勧めかと思います。

 

 

●国税庁:質疑応答事例より
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/sozoku/08/03.htm

配偶者に対する相続税額の軽減の規定の適用を受ける場合の「相続分不存在証明書」の適否

【照会要旨】

相続税法第19条の2((配偶者に対する相続税額の軽減))の規定を適用する場合には、相続税の申告書に相続税法施行規則第1条の6第3項に規定する書類を添付する必要がありますが、その添付書類のうち同項第1号に規定する「その他の財産の取得の状況を証する書類」には、特別受益者(民法903)が自ら証明したいわゆる「相続分不存在証明書」(「私は被相続人からすでに財産の分与を受けており、被相続人の死亡による相続については、相続する相続分が存しないことを証明します」という趣旨の証明書)が当たりますか。
なお、不動産登記実務においては、「相続分不存在証明書」を添付した相続による所有権移転の登記申請を認めています。

【回答要旨】

「相続分不存在証明書」(又は「特別受益証明書」)は、原則として相続税法施行規則第1条の6第3項第1号に規定する書類に該当しません。
ただし、「相続分不存在証明書」が真にその交付者(特別受益者)の法定相続分を超える特別受益を受けているという事実に基づいて作成されており、かつ、「相続分不存在証明書」に基づいて各財産が取得されていることが客観的に確認できる書類として、特別受益財産の明細を記載した書類及び登記事項証明書など各財産が相続人に名義変更されたことが確認できる書類の提出があった場合には、それらの書類の全てをもって、同号に規定する書類として取り扱って差し支えありません。

【関係法令通達】・・省略

 

●(特別受益者の相続分)
民法第903条 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
3 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。

 

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