共同相続人間で「相続分の無償譲渡」があった場合の更正の請求

 遺産分割協議が相続税の申告期限までに整わず、未分割のでの(法定相続分で)申告をした場合、その後において、共同相続人の一人甲が他の共同相続人乙に自分の相続分無償にて譲渡することとし、相続人全員が同意したときはどうなるのでしょう。

 甲は、相続税の更正の請求をし、すでに支払っている相続税を還付してもらえるのでしょうか。

 相続税法第55条(未分割遺産に対する課税)では、その後分割があったときには、更正の請求ができるものとしています。

 よって、分割協議が整うまで更正の請求を待たなければならないという記述の文献も見受けられます。

 しかしながら、相続税法32条1号の更正の請求ができるというのが実務です。相続分の譲渡の意義は、遺産分割と同様に遺産の帰属者の決定であるとしているのでしょう。

参考:(TAINSより)

平成5年5月28日の最高裁判決
「相続税法第55条にいう相続分とは、民法900条ないし904条に規定するもののみをいうのではなく、共同相続人間で相続分の譲渡があつた場合における当該譲渡の結果定まる相続分も含まれるものと解するのが相当であるとされた事例」

東京国税局「資産税審理事務研修教材」

 

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