●(株式保有特定会社の株式の評価)が、改正に向け始動

 こんな判決がありました。

 ・・・TAINSより

「東京地方裁判所平成21年(行ウ)第28号更正及び加算税賦課決定取消請求事件(全
部取消し)(被告控訴)(納税者勝訴)
国側当事者・国(処分行政庁 江東東税務署長)平成24年3月2日判決 
・・・ 省略 ・・・      

6 また、被告の主張によってもP社の株式保有割合は約25.9%にとどまるところ、P社の企業としての規模や事業の実態等に照らせば、本件相続の開始時において、原則的評価方式による評価額と適正な時価との間の開差を利用したいわゆる租税回避行為の弊害を危惧しなければならないものとは言い難いものというべきであって、本件相続の開始時のP社については、その株式の価額の評価において類似業種比準方式を用いるべき前提を欠く株式保有特定会社に該当するものとは認めるに足りないものというべきである。」

 ・・・

 その後、東京高裁判決でも納税者が勝訴しました(平成25年2月28日)が、国は、上告せず確定しました。

 そこで、通達は改正されるだろうと予想されていたところ、国税庁ホームページに改正関連の情報がありました。
 
平成25年4月2日

「財産評価基本通達」の一部改正(案)の概要

1 改正の背景
 取引相場のない株式の発行会社の中には、類似業種比準方式における標本会社である上場会社に比べて、資産構成が著しく株式等に偏った会社が見受けられます。このような会社の株式については、一般の評価会社に適用される類似業種比準方式により適正な株価の算定を行うことが期し難いものと考えられることから、財産評価基本通達(以下「評価通達」といいます。)189((特定の評価会社))(2)では、株式保有割合(評価会社の有する各資産の価額の合計額のうちに占める株式等の価額の合計額の割合)が25%以上である大会社を株式保有特定会社とし、その株式の価額を類似業種比準方式ではなく、原則として純資産価額方式で評価することとしています(評価通達189-3((株式保有特定会社の株式の評価)))。
 ところで、平成25年2月28日東京高等裁判所判決(以下「高裁判決」といいます。)において、この株式保有特定会社の株式の価額を原則として純資産価額方式により評価すること自体は合理的であると認められるものの、平成9年の独占禁止法の改正に伴って会社の株式保有に関する状況が、株式保有特定会社に係る評価通達の定めが置かれた平成2年の評価通達改正時から大きく変化していることなどから、株式保有割合25%という数値は、もはや資産構成が著しく株式等に偏っているとまでは評価できなくなっていたといわざるを得ないと判断されました。
このため、現下の上場会社の株式等の保有状況に基づき、評価通達189(2)における大会社の株式保有割合による株式保有特定会社の判定基準(以下「大会社の判定基準」といいます。)を改正するものです。
(注)高裁判決においては、株式保有割合に加えて、その企業としての規模や事業の実態等を総合考慮して判断するとしていますが、これは、現行の「大会社の判定基準」(25%以上)が合理性を有していたものとはいえないことを前提としているためであり、「大会社の判定基準」が合理性を有するものであれば、企業としての規模や事業の実態等を総合考慮することまでを求めるものではないと解されます。

2 改正案の概要
 「大会社の判定基準」について、「25%以上」を「50%以上」に改正することとします。
なお、改正後の評価通達は、相続税又は贈与税について、改正後に納税者の方が申告する場合又は税務署長が更正・決定する場合における財産の評価に適用することとします。

 

 

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