先日、国税庁より「平成22年分の相続税の申告の状況について」が公表されました。
相続税は、申告期限は10ヶ月と長いので、どうしても実態の把握が他の税目に比べて遅くなってしまいますね。
さて、その内容はというと、平成22年において、
死亡者数・・・119万人
相続税がある被相続人数・・・49,733人
被相続人一人あたりの課税価格・・・2億1千万円
被相続人一人あたりの相続税額・・・2,363万円
とのことです。
この結果を見て、皆さんはどう思いますか?
僕は、毎年のことですけど、けっこう財産を持っている人が多いんだなぁ、と思います。
被相続人一人あたりの課税価格が2億1千万円。
これは相続税評価なので、実際の時価に換算するともっとあるわけです。
しかも、平均です。
常識的に考えて、課税価格が高くなるにつれて、その人数も減っていくと思いますが、そうすると、何十億と財産を持ってらっしゃる方がけっこういるってことですね。
もう一つ思うことが、税理士の市場について。
平成24年4月現在の税理士の登録者数は7万2千人。
登録だけしてる人のことを考えても、税理士1人当たり、1件も相続案件がないわけです。
相続専門にやっている税理士もいるので、1年で相続税を1件もやらないという税理士が結構いる計算になります。
そのように考えると、税理士の間でもかなり経験に差が出てくると思います。
ですので、納税者の方も、税理士を選ぶ際にはその経験も重視した方がいいと思います。
もう一つ、国税庁の統計におもしろいデータがあります。
それは、財産の内訳。
最近では、土地や有価証券の割合が減少し、現預金の割合が増加しています。
現在の経済を如実に表している結果ではないでしょうか。